2016年6月4日土曜日

アートに歩み寄ってみた

私は、
「アート」という言葉が
嫌いだ。

特に「現代アート」
といわれてるやつ。

錆びた鉄板を置いて
「アート」
白いキャンパスに
デタラメに絵の具を散らして
「アート」
ゴミの山も
「アート」

・・・なんでもありやないかい!
言ったもん勝ちやないかい!!

そんなもん
おれがうんこして
それ指して、
「これがアートだ」
と言ってもいいじゃん

きどってるやつ嫌い。
おれがそうだから。笑

そんなある日
ブックォーフで、
本を漁っていたら、
こんな本を発見した。

藤田令伊「現代アート、超入門!」

ふーん、なるほど〜
どげなもんかな。

帯に書いていた
コピーにそそられた。


なになに・・・
「7大わからない」とは、

・美しいかどうかわからない
・何を描いているかわからない
・上手かどうかわからない
・そもそもアートかどうかわからない
・値打ちがあるかどうかわからない
・わかったのかわからなかったのかわからない
・何なのか意味がわからない


ほんとそうだよ、
言う通り。

多様性ありすぎて、
意味わかんないよ。

わかってんのかわかってないのかが、
わかんないんないんだよ!!!!

これ読んだら少しぁ分かるかなぁと思い買って読んでみた!


著者は、
元々サラリーマンだったらしく、
学者やアーティストのような美術専門家ではないいわゆる「フツーの人」の目線でアートを説明する。

なぜ現代アートはこうも意味わかんなくなっていったのかを、素人でもわかりやすいように具体的な絵を差し込みながら歴史的な背景を踏まえて解説する。

ルネサンス時代の絵画は、
神や儀式などをリアルに描いて誰が見ても分かりやすいものだったけど、
どんどん絵画の常識を覆す人たちが現れてきて、さらにアートという枠組みすらもぶち壊すような作品を世に発表しだす人たちが現れたんだって。

それによって、
文字通り「なんでもあり」になってしまったアート。

アートが「なんでもありに」なるまでの経緯を専門用語や美術知識が皆無の素人でも分かるようにザックリと説明してくれる本作は秀逸だ。

文中にでてくる
なんとかっていう
哲学者がいってたけど、
作る側の一方通行ではなく、
見る側も「これはアートだ」
と思ったものが「アート」である、
という定義は納得した。
 
あと、
現代アートは知識が必要なときも往々にしてあるけど、「感性で見てもいいんだよ!」という言葉になんだか励まされた。

作者は一般人が抱きそうな疑問を一つづつ丁寧に分かりやすく、そして面白おかしく説明してくれる。
「当時この作品をみた専門家ですらも頭を抱えたんだから、我々素人が分かるはずなんてないよ!大丈夫!」と気を楽にしてくれる。

そう言われるとこちらも、
「ね、やっぱそうだよね!意味わかんないよね!」と共感できるのだ。

その時代背景や芸術家の人間性なども織り交ぜながら描いているので、
芸術家たちにも共感できる。

「なるほど、こういう社会情勢やったからこれが生まれたのか」とか「いままでの芸術の流れをぶち壊す目的でこれ作ったのか」という具合に。

作者に共感し、
少し知識も得られたので
納得できた。

「アート」のことが
少しわかった。
もう嫌いじゃない。

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