風疹の予防接種を受けに、宜野湾の海邦病院に来た。久しぶりの病院だ。
消毒液とかアルコールとかシップが混ざった匂い。内装は最近改装されたのだろうか、壁と床が白で統一され、明るい雰囲気。
一階で受診を待つ間に思ったが、上の階にはベッドで病と戦っている人が何人もいるんだ。
昨日まで歩くことが普通だったのに、今日道歩いてたら車が突っ込んできて、両足切断を余儀無くされた人とか、ある日突然余命2ヶ月のガンと宣告された人とか、生まれつき何年くらいしか生きられないと言われてる人とか、HIVで苦しんでる人とか、脳に腫瘍ができた人とか、色んな人がいるんだろうな。
私が体験したことのない次元の痛みや不快感を感じてる人がいる。
私はこの予防接種が終われば、よっこらしょと家にバイクで帰り、途中でスーパーに寄り、晩御飯を買い、飯をつくって食べ、
テレビを観ながら寝ることができるが、入院している人はそういう日常生活は行えない。
私も中学生のころ、夜中に腸捻転で痙攣を起こし、1週間ほど入院したことがある。
入院生活がどれほど不自由と感じ、暇だと思っただろうか。
時間は膨大にあった。
「ブラックジャック」をほぼ全巻読んだ。
ほぼ、というのは、あまりにもハマった漫画は最終巻は読まないという私なりの主義があるからだ。この楽しい世界が終わってしまうから。
あと、スケッチブラックとえんぴつを買ってきてもらって、絵を描いた。
最初に描いたのは、60年後の自画像。
これはなかなか良くできたと思ったが、なんだがあまりにもリアルで、意思を持ってこっちを見ているような気がして気持ち悪くなったので、そのページはなるべく開かないようにした。
その後、メビウスの輪みたいなトリックアートを描いたけど、途中で飽きてやめた。
味気のない病院食に碧壁として、紙に食べたいものを書きまくった。
てったこ(大分のタコ焼き)、お好み焼き、明太子スパゲティ、ラーメン、カレー。
夜中はラジオを聞いた。山田ヒサシのラジアンリミテッドやオールナイトニッポンとか聞いていたと思う。
退院したときのことはあまり覚えていないけど、やっと退院できる!という異常な興奮は記憶している。
これからもいく度となくお世話になるであろう病院、あまりお世話にならないようにしたいものだ。