我如古ファンクラブの葬式がEX.我如古ファンクラブによって執り行われた。
解散した我々は、葬儀に向けて様々な準備をした。
大量に余ってしまったワンマンTシャツを黒く染めるべく、
炎天下の中での染め作業。
リサイクルショップで購入した衣装ケースに、
大量の墨汁とお酢と水をいれ、じっくり浸透させる。
しかし、一度すすいで見ると、すぐに色が落ちてしまう。
2度目はさらに数日間漬けなおした。
それでも真っ黒にはならず、
少しグレーになったくらいだった。
当日、
会場には、棺と祭壇を用意。
いままでの思い出の写真が壁中に貼られる。
我々の年表(ディスコグラフィー)と、もう着ることのない衣装。
遺品整理と銘打った物販たち。
全てが物悲しい雰囲気に包まれている。
そして最後のライブが始まる。
60分強のセット。
最初は、お客さんも我々もどういうテンションで望めばいいのか探り探りだったが、後半になるにつれて、会場が温まってきた。
「見苦しいほど愛したい」を演奏していたとき、
様々な思いが頭の中を駆け巡った。
本当にこの一曲一曲が最後なんだ。
この瞬間、この景色、二度と体験することのできない空間。
4年間続けてきた。一所懸命話し合って、練習して、ライブして、反省して、
またライブして、あーだこーだいって、そしてメジャーデビューできなかった。
本当に苦しい時期は山ほどあった。でも乗り越えてきた。
そこにはたくさんの人の支えがあった。
感謝してもしきれないくらい感謝で溢れている。
「自分だけの目標」がいつのまにか「みんなための目標」になった。
もがいてもがいて誰かを責めたり、自分の不甲斐なさを責めたり、
たくさん嫌なこともいった。
本気で、やった。
でもさ、
そこでもういっかい、
この言葉がフッと湧いてきた。
「本当に一生懸命だったか?」
頭の中でずっと鳴り響くこの自問自答。
素直にみんなの前で謝った。
どうあれ、結果は結果。
「みんな、ごめん」
感謝を伝える言葉が凡庸な8文字になってしまった。
「本当にありがとう」
そして先ほどの自問自答の思いをそのまま吐き出した。
一生懸命だったか?本気だったか?死ぬ気だったか?やれることは全てやったか?猛進し続けたか?
この挨拶は絶対に下を向かない。
涙は流しても、凛と前を向き続けると誓った。
いまこの場にいる人たちにだけでもせめて、
この思いを聞いて欲しかった。
聞いた人の人生が少しでも、
本当にちょびっとでも、
明日からいい方向に向かって欲しいと心から願う。
そのために自分自身とみんなにこう言った。
「バンドはいつか解散する。人はいつか死ぬ。みんな毎日つらいこと色々あるけど、一生懸命生きろ。」
今回の葬儀に参加してくださったみなさま、いままで応援してくださった全てのみなさん、ありがとうございます。
(インターネットから写真を数枚転用させていただきました)
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