2015年3月12日木曜日

『全然慣れないもんだね。別れの季節ってのは』

その感情を忘れてはならない。

人間は、
辛いことや悔しいこと、悲しいことを、
忘れることができるから
気持ちを新たにして生きていける。

しかし向上心を持ち続けるためには
この辛い経験たちを噛み締めながら、
生きていかなければならない。

「臥薪嘗胆」という言葉を高校のときに学んだ。
父の仇を誓った男が復讐心を忘れないために
硬い薪(まき)の上で寝て、
苦い胆(きも)を吊るして毎日嘗(な)めて、
自身を鼓舞し続けたという話に由来する。

多少のことでは凹まない私も
まれに打ちのめされて
立ち上がれなくなるときがある。
そんな未曾有の体験を食らったとき、
しばしばこの言葉を思い出す。



頭ではわかっているはずなのに、
なんども繰り返し経験してきた過ちのはずなのに、
身体の奥の方が痛む。

まだ科学では解明されていないことが
この世にはたくさんあるのだが、
「こころ」はそのひとつだと思う。

他人の相談にはあんなに客観的に
意見を述べることができるのに、
いざ当事者になると、
私も人間だ、感情の生き物だ。

動機は激しくなり、口が乾き、
頭に血が上って、
これでもかというくらい
汚い言葉をまくしたてる。

こんなこと言っても無駄だろとわかっていても、
気持ちが収まらないから気が済むまでいうのだ。

そしてものすごいスピードで冷めて、
虚しくなる。

でも最後の最後に挨拶できない人間は
クソだと思ってるから、
どんなにひどいことされても、
どんな感情が渦巻いていたとしても、
「ありがとう」というように決めてる。

だって
全ては経験。
どんなクソみたいなことでも
自分の糧になったと思えば、
その経験をさせてくれた人に
一握の感謝も生まれるだろう。
生まれなかったとしても、
皮肉たっぷりに言ってあげることにしてる。

そうやって心のバランスをとりゃいいんだ。
なぁに気にすることはない。
時がすべて解決するさ。
悲しいくらい残酷に。

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