囲われた檻の中で生きるのは、
暖かくて安全だ。
しかしごく稀に、
自分の身の程も知らずに
その檻を飛び出そうとするものがいる。
小学生のとき
田んぼで捕まえた丸々太ったヒルを、
ガラスのコップに水を入れて
窓際のロッカーの上で飼っていた。
たまに手のひらに置いて、餌代わりに血を吸わせていた。
たしか名前も付けていたと思う。
そんなかわいがっていたヒルが、
ある朝、学校にいくと
冷たい床の上で
乾燥ワカメみたいに干からびて死んでいた。
それを見たとき、
なんとも言えない悲しさとあっけなさに
全身が包まれた。
囲われた檻を飛び出すものは
多大なるリスクを背負うことを
ヒルは教えてくれた。
ただ、やらなきゃゼロなんだ。
後悔を積み重ねる一生より
リスクを積み重ねる一生の方が
面白いに決まってる。
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