2014年12月29日月曜日

『気持ちいい朝と異世界』

先日いつものように
バイトへ行く道をバイクで飛ばしていた。
カラッと晴れた冬空の朝日を浴びながら、
冷たい風を切る。

そのとき急に
味わったこともない奇妙な感覚に襲われた。
自分の身体が透明になって
宙に浮いているような感覚。
朝日が身体を貫通して、
光の粒子が全身の細胞と結合していくようだった。

運転中だったが思わず、
自分の左手を何度も握り絞めては
その感覚を確かめた。

今自分がここに存在することすらも
一瞬、あやふやになりかけた。

別に睡眠不足でもなければ、
精神的に追い詰められているわけでもない。
このような感覚に見舞われたのは初めてだった。

しかしとても心地よかった。
肉体という概念から離れ、
気体にでもなったかのような自由な感覚。

あまりにも気持ちいい朝が
私の心を現実とは違うところに
誘(いざな)ってくれたのかもしれない。


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