2015年5月23日土曜日

『ヒッチハイクの旅』その2

5.20(水)
4:30ごろ寒さで目が覚めた。

これはいけないと思い、
起きてすぐ走り出した。

早朝ランニングマンに紛れて、
身体を温めるために、
ひたすら公園をぐるぐる走った。

ザ・ブルーハーツの「ラブレター」「TOO MACH PAIN」が胸に突き刺さる。



本当ならば今頃

僕のベッドには

あなたがあなたが

あなたがいてほしい


薄暗い公園で切なくなって
身体が温まったのでまた寝た。
8:30に起床して日向ぼっこ。

倫太郎が「鎌倉はすごくいいところですよ」といっていたので、鎌倉に行くことにした。

井の頭公園に感謝と別れを告げる。
駅前のマックでケータイ充電完了。

井の頭公園を越え南に歩くと、
三鷹の住宅街に入る。

さらに進むと、大通りに行き着いた。
通り沿いを歩いて、
少し開けた橋の上でヒッチハイク。

40分ほど手を挙げるが捕まらないので、地図を再確認し場所を変更。

先ほどよりは小道の、
鎌倉方面の車が通りそうな道で、
木陰で日光を忍びながら、
再びヒッチハイク。
しかし30分待っても捕まらず。

途方に暮れ始めたところに、
後ろから声がした。

「どのくらい待ってんの?」
振り向くと、ワイシャツを着たおじさんが立っていた。

「1時間くらいです。」というと、
「都内までだったら送るよ。もちろんお金はいらないよ。」

おじさんが指差す先には個人タクシーが止まっていた。

これから都内で出勤なので、回送で向かう途中はお客さん乗せないからと言われたので、お礼をいって飛び乗った。

個人タクシーは今まで数回乗ったことがあるが、その全てが乗り心地が良かった。今回も滑るように走る。車が好きな人がこだわって選んでいるんだなぁと感じた。

おじさんは50代で、ハタチの娘と18の息子がいるらしく、18の息子が最近思春期でゲームばっかりして勉強しないことを悩んでいた。

おじさんはメガネで少し小太りの、とても優しいオーラが滲み出ている方で、息子には厳しく叱れないと言っていた。
おじさんの悩みを真剣に聞いて、
「息子さんに理不尽を与えてください」「息子さんにバイトをさせてください」「息子さんを勤務中のお父さんの助手席に乗せてください」など、
27年の人生をフル活用して自分なりに精一杯アドバイスした。

おじ「2人はいくつなの?」

りん「僕は20です」

むね「私はもう27で・・・だいぶ遠回りしてます。笑」

おじ「人生に遠回りなんて、ないんだよ。」

このさらりと放たれた言葉が
私の胸にサクッと突き刺さった。

そうだ、私よりも2倍近く生きてるおじさんがそう言ってるんだ。
27歳の若造が「遠回り」なんていってる場合じゃない。

おじさんの言葉にハッと気付かされた。

その後、「昔からの金持ち」と「にわか成金」の違いを教えてくれた。

話が盛り上がったところで都内に到着。
鎌倉行きの車がよく通る中原街道で降ろしてくれた。
おじさんに別れとお礼を告げ、
また歩き出した。

途中お腹が空いたので、
オリンピックという名のスーパーで、
おにぎりを買って口に放り込んだ。

中原街道を南に歩く。
直線の見通しのいいところで、
「鎌倉」を掲げる。

しばらくすると、
子供をカゴにいれたチャリンコに乗ったお母さんがこっちに来た。

お母さん「どのくらい待ってるの?」

りんたろ「ここでは30分くらいですかね」

お母さん「そうなんだぁ。送ってあげられないけど、頑張ってね!」

そういうと倫太郎に100円玉を3枚渡し、風の如く去っていった。

走り去るチャリンコの背中を見つめながら「ありがとうございます!」と叫んだ。

そのお金ですぐにアイスを買って食べた。炎天下でのアイスはとても美味しかった。

そこでは結局捕まらなかったので、また南に歩いた。

大きな川が見えてきた。
多摩川だ。

多摩川の橋の下で休憩。

倫太郎がいう。
「なんか週末、愛知県の豊田市ってところで、橋の下音楽祭っていうのがやってるらしいっすよ。」

FBのタイムラインで流れてきたらしい。

「沖縄からマルチーズロック出るらしいですよ。あ、タテタカコ見たいなぁ。タイミング合えば行けたらいいっすねぇ。

私は、
「確かに。そのタイミングで愛知県入りできれば行けるかもなぁ。行きたいなぁ!」
と言った。

しばらく身体を横にして休んだ。
陽が傾きかけていた。

鎌倉で夕陽を見たいっすね、
と倫太郎がいった。

陽が落ちる前になんとか乗せてもらおう。
再び南へ歩き出した。

つづく



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