2014年2月10日月曜日

『うちのかみさんがねぇ、大ファンなんですよ。』の巻

フジテレビ系列ドラマ『古畑任三郎』が昔から好きで、
中学生のときはドラマの前説(古畑がトップライトの下で語るオープニング)を
モノマネしてテープに吹き込んでは聞いていた。(消したい過去)
大好きな『古畑任三郎』のモチーフとなった作品、
『刑事コロンボ』を見始めたのは、
大学生のとき。

1962年に開始された本シリーズは『新刑事コロンボ』もあわせると、
足掛け40年の長寿シリーズとなった。

『刑事コロンボ』にはアクションも銃撃戦も性描写もグロシーンも出てこない。
最初に富裕層の犯人が殺人を犯す。
一見すると完全犯罪にみえるのだが、
コロンボは、現場に残された数少ない手がかりを頼りに、
犯人との激しい心理戦を繰り広げながら、徐々に真実をたぐり寄せていく。

コロンボはロス市警殺人課のデカ。
口癖は「うちのかみさんがねぇ〜」など。
ヨレヨレの背広とレインコート、
髪はボサボサで青髯を生やし安葉巻をふかしながら、
背中をまるくして考え事をしている。

一見するとダメ刑事にしか見えないが、
とぼけた質問をしながら犯人の懐に潜り込み、
ひとたび標準を絞ると、
徹底的に裏を取り、どんな些細な矛盾点も見逃さない。
執拗に事件の真相を究明するその姿は、
犯人たちに厭われ、周囲からは変人扱いされる。
目を付けられたら最後、証拠をつかんで逮捕するまで絶対に犯人を放さない。

今観ても全然色あせない犯人との心理戦。
ピーター=フォークは名優だ。彼そのものがコロンボだ。

コロンボに関しては、やっぱり日本語吹き替えで観たい。
旧シリーズのコロンボの声優は小池朝雄さん。
とぼけた演技もシリアスな演技も両方うまい。
古くさい言い回しとかがたまらなく好き。

今回観た『パイルD-3の壁』『黒のエチュード』(1972年)の2作は、
どちらも名作だった。

『パイル〜』の方は、ピーターフォーク自身が監督を務めた意欲作。
工事現場を使っての大掛かりなロケが重要な見せ場だが、
それ以外にも、
ギリギリまで犯人に追いつめられるコロンボや、
健康のために葉巻をやめようか悩むコロンボなど、
見所はたくさんある。

『黒のエチュード』は96分の大作。
犯人はクラシックオーケストラの指揮者なのだが、
LIVEハウスみたいなところで演奏しているシーンの、
JAZZの曲がかっこいい。なんて曲だろう。

『古畑任三郎』のEPISODE33『絶対音感殺人事件』は
この『黒い〜』から強い影響を受けているので、古畑好きは楽しめるかも!

めまぐるしい現代映像社会の中で、
たまにはこの長雨のような、
シットリした会話劇の刑事ものも良いものですよ。

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