2014年4月4日金曜日

『キャリー(1976)観た』の巻

クロエ版の『キャリー』を観る前に、
名作と詠われる76年版『キャリー』を観なきゃと思い鑑賞。


スティーブン・キング原作、ブライアン・デ・パルマ監督。
エイミー・アーヴィング(スピルバーグの前妻)や、
ジョントラボルタなど、今観ると豪華な演者たちだが、
当時は皆売れれる前の無名時代。
デ・パルマ監督はあえて新人ばかりを起用したという。

主演はシシースペイセク(Sissy spacek)。
27歳で高校生役を演じているのだが、
キャリーの繊細な心情を見事に表現している。
画面から出てきそうな生々しい演技だ。
デ・パルマ監督はキャリー役に、
別の若い女優を起用することをほとんど決定していたが、
オーディションでシシーの演技を観て、
心動かされたらしい。
(当時の様子を語るインタビューが
DVDの特典映像に入っている。)

冒頭の更衣室のシーン。
女子更衣室をスローでドリー撮影されているそれは、
まさしく映画史に残る名シーンといえる。
このカットには、
フルヌード、セミヌードの女子も出てくるのが、
横長の巨大絵画を眺めているような荘厳な気分になる。
湯気の霧間から、
シャワーを浴びるキャリーの後ろ姿がゆっくり見えてくる。
これから起きる出来事を、
不気味に予感させる素晴らしいショット。

この映画には、特殊効果がふんだんに使われている。
今観てもよくできてるなぁと思うのだから、
当時もし映画館で鑑賞していたなら度肝を抜いただろう。
キャリーがプロムで完全に覚醒し、
暴走状態になるシーンは、
大掛かりなセットを惜しげもなく破壊するので
とても見応えがある。

画面を2分割にして臨場感を持たせたり、
細かくカットを割りUPにしていったりと、
映像効果も多様に駆使されている。

この映画を観るまで「プロム」を知らなかった。
「プロム」とは“promenade(舞踏会)”の略で、
アメリカの高校で、学年の最後に開かれるフォーマルなダンスパーティのこと。
男女のペアでしか参加できないらしい。
なんと残酷なシステムなのだろうか。

この時代のホラー映画は、
ただ怖いだけでなく、
手の混んだ芸術性の高い作品が多い。

演出、カメラワーク、特殊効果、演技、美術、音響効果、
その当時の最先端の全てが詰まった、
脂のノッたギラギラした作品たちが目白押しだ。

脚本がよく出来ている作品は、
エンディングも素晴らしい。
最後まで鳥肌立ちっぱなしの映画だった。

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