2014年4月3日木曜日

『ウルフオブウォールストリート観た』の巻

『タクシードライバー』で一躍有名になり
数々の話題作を世に送り出してきたスコセッシ監督は現在71歳。
危ぶむなかれ、
この『ウルフオブウォールストリート』から一切衰えを感じない。
むしろ溢れんばかりのパワーを頂いた。

冒頭から脳天にぶち込まれる
ハイテンションな映像は
エンドロールまで駆抜ける。


株式ブローカーであるベルフォードは、
人並み外れた話術とアイデアで
貯金ゼロから億万長者へ成り上がっていく。

実在する人物の話らしいのだが、
ベルフォードが起こす信じられない行動の連続に
視聴者は驚きを通り越して笑えてくるはず。
破天荒な生き様をノンフィクションの枠から外し、
いっそ開き直って過激に描写することで
クレイジー&ポップな娯楽作品に仕立て上げた。
しかしただ下品な作品に成り下がらないのがスコセッシ作品。
野望に陶酔し際限なく狂乱する姿と、
彼がここまで大きくなれた理由である
「人を魅了する才能」とを対照的にみせることで
人間の二面性をを上手く表現している。

「こんなに無茶苦茶なのに皆が惚れる」表意一体のキャラクターを
デカプリオは見事に演じた。
こんな下品で利己的で非道徳なドラッグムービーが
アカデミー賞にノミネートされるんだから
アメリカって本当に自由で素敵な国。


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